レストランサービス技能検定について

実技試験あり筆記試験実務経験・学歴が必要
国家資格

レストランサービス技能検定とは?

概要・難易度・取得後の活かし方を解説

レストランサービス技能検定の概要

「レストランサービス技能検定」は、飲食店におけるホール・接客サービスの技能を認定する国家検定です。職業能力開発促進法に基づき、一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会(HRS)が指定試験機関として実施しています。

職業能力開発促進法とは、働く人の職業能力を一定の基準で評価する制度(技能検定)の根拠となる法律です。技能検定に合格すると「技能士」と名乗ることができます。

3級・2級・1級の構成と実務経験要件

検定は3級・2級・1級の3段階で構成されています。3級は実務経験1年以上(対象の専門学校等の卒業予定者なども受験可)、2級は実務経験2年以上(専門学校等卒業者は1年以上)または3級合格者、1級は実務経験7年以上、または2級合格後2年以上、もしくは3級合格後4年以上が受験資格の目安となります。

学科試験と実技試験

学科試験は真偽法・マークシート方式で、試験時間120分、食品衛生・料飲一般・レストランサービス・食文化など複数の科目から出題されます。実技試験は接客マナーやテーブルサービスが中心で、試験時間は1級30分、2級15分、3級9分です。学科・実技ともに100点満点中60点以上(減点法)が合格基準とされています。

減点法とは、満点から誤った所作や対応のたびに点数を引いていく採点方式です。実技試験では、正しい所作を「できているか」だけでなく「ミスをしていないか」も重要になります。

1級だけに課される「ワゴンサービス」

1級の実技試験では、2級・3級にはない「ワゴンサービス」が追加で課されます。これは、お客様の前でワゴンを使って料理を仕上げたり盛り付けたりする高度な接客技術で、フロアスタッフとしての総合力が試される場面といえます。

難易度・学習時間の目安

★★★☆☆ 3級は現場経験があれば挑戦しやすいが、1級は実務経験7年が前提の本格派

3級は実技9分・学科の出題範囲も基礎的な内容が中心で、現場で1年程度の経験があれば取り組みやすいレベルです。2級になると科目数や実技の所作の精度が求められ、1級では実務経験7年程度が前提となるうえ、ワゴンサービスという高度な実技が加わるため、現場での経験の積み重ねが欠かせません。

料飲とは、飲食店で提供される料理と飲み物全般を指す言葉です。学科試験では料飲に関する一般的な知識も出題されます。

合格率の目安:学科試験の合格率は3級で約80%前後、2級で約75%前後、1級で約60%前後とされており、級が上がるごとに合格率が下がる傾向にあります。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

レストラン・ホテルのホールスタッフ

来店時の案内からメニュー説明、注文対応、料理・飲料のサービス、テーブルセッティング、お見送りまでの一連の接遇サービス全体が検定の対象となっており、ホールスタッフとしての基本から応用までを証明できます。

サービスマネージャー・教育担当

2級・1級を取得することで、後輩スタッフへの指導や、サービスのクオリティ管理を担うポジションに就く際の知識・技能の証明として活用できます。

ホテル・宴会場でのサービス職

ホテルの宴会場や格式のあるレストランでは、ワゴンサービスのような高度な接客技術が求められる場面もあります。1級で身につけた技能は、こうした現場でも強みになります。

誕生の背景・歴史

2002年:国家検定としての制度化

レストランサービス技能検定は、平成14年度(2002年)から職業能力開発促進法に基づく国家検定として実施されています。外食産業が発展し、お客様が求めるサービスの質が多様化・高度化していく中で、接客サービスの技能を客観的な基準で評価できる仕組みが必要とされたことが、制度化の背景にあると考えられます。

料飲サービス分野で唯一の国家資格としての位置づけ

ソムリエや接客に関する資格には民間資格も多くありますが、レストランサービス技能検定は料飲サービスに関する資格としては唯一の国家資格とされています。1級の合格者には厚生労働大臣名の合格証書が授与され、2級・3級はHRS会長名の証書となるなど、級によって証書の重みづけが変わるのも特徴です。

技能士とは、技能検定に合格した人が名乗ることができる称号です。レストランサービス技能検定の合格者は「レストランサービス技能士」と呼ばれます。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

飲食店・ホテルで働き始めた方

実務経験1年程度から受験できる3級は、現場に出始めたスタッフが自分のサービススキルを客観的に確認するために挑戦するケースが多く見られます。

サービスのプロを目指すベテランスタッフ

実務経験を重ねたスタッフが、1級で求められるワゴンサービスなどの高度な技能を身につけ、サービス職のプロフェッショナルとして自分の技能を証明する目的で取得を目指すこともあります。

教育機関で接客サービスを学ぶ学生

調理師専門学校やホテル・観光系の専門学校に通う学生が、卒業前に3級の受験資格を得て挑戦するケースもあります。在学中に国家検定に合格していることは、就職活動の際にもアピールポイントになります。

豆知識:レストランサービス技能検定をめぐる雑学

1級だけの「ワゴンサービス」という実技

1級の実技試験で課されるワゴンサービスは、ゲリドンサービスとも呼ばれる、お客様の目の前で料理の仕上げや盛り付けを行う高度な接客スタイルです。格式のあるレストランやホテルの宴会場で見られるこのサービスを、試験という形で再現するのは、他の食関連資格にはなかなか見られないユニークな試験内容といえます。

合格証書のグレードが級によって異なる

1級の合格者には厚生労働大臣名の合格証書が授与されますが、2級・3級はHRS会長名の証書となります。さらに、合格者は希望すれば級ごとに異なるデザインのバッジを購入して着用できる制度もあり、自分の技能レベルを目に見える形で示せるのも面白い特徴です。

まとめ ― 「おもてなし」を国家基準で証明できる検定

こんな方にとくにおすすめ

  • 飲食店・ホテルで接客サービスの仕事をしている方
  • 自分のサービススキルを客観的な基準で証明したい方
  • 将来サービスマネージャーや教育担当を目指す方
  • ホテル・観光系の専門学校で接客サービスを学ぶ学生

取得に向けた第一歩

まずは受験資格を満たせる3級からスタートし、学科試験の出題範囲を中心に基礎知識を整理しながら、日々の業務の中で実技のポイントを意識してみるとよいでしょう。経験を重ねながら2級・1級へとステップアップしていくことで、サービスのプロフェッショナルとしての技能を国家検定として証明できます。

国家検定「レストランサービス技能検定」について
レストランサービスのプロがその知識、技能の証として取得を目指す国家検定技能資格が「レストランサービス技能士」です。