フードアナリストとは?
概要・難易度・取得後の活かし方を解説
フードアナリストの概要
「フードアナリスト」は、食や食文化に関する幅広い知識を身につけ、生産者や飲食店への感謝と尊敬の気持ちを持ちながら、食の情報を発信できる人材を認定する民間資格です。一般社団法人日本フードアナリスト協会が運営しています。
※ 日本フードアナリスト協会とは、食に関する情報発信ができる人材の育成・認定を行う団体です。会員数は約23,000人にのぼるとされています。
4級から1級までの積み上げ方式
フードアナリストは4級・3級・2級・1級の4段階で構成されています。下位の級を取得していなければ上位の級を受験できない積み上げ方式になっており、4級は誰でも受験できますが、3級は4級取得者のみ、2級は3級取得者のみが対象となります。
味覚だけでなく食文化やメディア発信まで学ぶ
学習内容は、料理の味わいを評価する力だけではありません。食文化の歴史、レストランの内装やインテリア、飲食店に関わる法律、フードライティングやメディアでの発信方法まで、食にまつわる情報を幅広く体系的に学ぶのが特徴です。
※ フードライティングとは、料理やお店の魅力を読者に伝わるように文章で表現する技術のことです。グルメ記事やレストランガイドの執筆などで活かされます。
受験方法は3パターン
取得方法は、検定試験のみを受験する方法、協会認定の対策講座を受講してから検定試験を受ける方法、添削問題とレポート提出による通信講座の3パターンがあります。対策講座を受講した場合は合格率が90%を超えるとされており、独学で挑むよりも対策講座を活用するほうが手堅いといえます。
難易度・学習時間の目安
4級は選択問題(マークシート)が中心で、検定試験のみで受験した場合の合格率は55〜60%程度とされています。一方、3級は合格率約30%、2級は10〜15%程度、1級は約10%とされ、級が上がるごとに難易度が大きく上がります。2級では記述問題が加わり、1級では記述・実技・面接まで実施されるため、知識だけでなく表現力や実践力も求められます。
※ テイスティングとは、料理や食材の味・香り・見た目などを総合的に評価することです。1級では高度なテイスティング能力が求められるとされています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
フードライター・グルメレポーター
料理やお店の魅力を文章で伝える仕事に直結する資格です。レストランガイドや食メディアでの執筆・評価活動に必要な表現力・情報発信力を体系的に学べます。
飲食店・食品メーカーの商品開発
食文化やテイスティングの知識を活かして、新商品の開発やメニュー監修、コンサルティングなどに関わる仕事にも役立てられます。
アナウンサー・タレントなど発信者としての活動
食に関する情報発信を行う仕事をしている方が、説明力や表現力を高める目的で取得することもあります。実際に多くの著名人やアナウンサーが取得しているとされています。
誕生の背景・歴史
2005年:任意団体としての活動開始
フードアナリストは、2005年11月に任意団体として活動を始めました。創設者の横井裕之氏は、証券会社で15年間勤務した後に独立し、「食・食文化への幅広い知識と教養を持ち、生産者や飲食店への感謝と尊敬の念をもって食のメッセージを発信できる人材」を育成・認定することを目的に、この資格制度を立ち上げました。
2009年:一般社団法人化と国家資格化への動き
2009年12月には「一般社団法人日本フードアナリスト協会」として法人登記され、組織としての基盤が整いました。その後、会員数は約23,000人、賛助導入企業420社規模まで拡大し、協会では資格の国家資格化を目指す動きも報じられています。設立から20年弱で食の専門資格として大きなネットワークに成長してきたことがわかります。
※ 賛助導入企業とは、フードアナリストの資格制度や活動を支援・活用している企業のことです。研修や評価制度に資格を取り入れている企業もあるとされています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
食に関する情報発信をしたい方
SNSやブログ、グルメサイトなどで食に関する情報発信をしている、またはこれから始めたいという方が、知識と表現力の両方を身につける目的で4級から挑戦するケースが多く見られます。
飲食・食品業界でのキャリアアップを目指す方
飲食店や食品メーカーで働く方が、商品開発やメニュー監修などの場面で活かせる専門知識の証明として、2級・1級の取得を目指すこともあります。
表現力を高めたいタレント・アナウンサー
食に関する取材やリポートをする機会が多い方が、味や香りを的確に表現する力を養うために取得するケースもあります。
豆知識:フードアナリストをめぐる雑学
タレントの2級合格が話題になったことも
2015年には、タレントの鈴木亜美さんが芸能人として初めて「難関」とされるフードアナリスト2級に合格したことが話題になりました。合格率10〜15%程度とされる2級に挑戦し合格したことは、この資格の知名度向上にもつながったといわれています。ほかにも、真鍋かをりさんや押切もえさんなど、多くの著名人が取得しているとされています。
「食品・食材の認定制度」も運営している
日本フードアナリスト協会は、フードアナリストの資格制度だけでなく、「ジャパンフードセレクション」という日本初の食品・食材の審査・認定制度も運営しています。資格保有者の知識や評価の視点が、こうした食品の価値づけにも活かされている点は、他の食関連資格とは一線を画す特徴といえます。
まとめ ― 「食を語る力」を体系的に身につけられる資格
こんな方にとくにおすすめ
- 食に関する情報発信(SNS・ブログ・メディア)に興味がある方
- 飲食・食品業界で商品開発やメニュー監修に関わりたい方
- 料理や食文化について体系的に学びたい方
- 表現力・発信力を高めたいタレント・アナウンサーの方
取得に向けた第一歩
まずは誰でも受験できる4級からスタートするのが基本です。独学で不安な場合は、協会認定の対策講座を受講すると合格率が大きく上がるとされているため、検討してみるとよいでしょう。4級から順に積み上げていくことで、最終的には食の専門家として情報発信できるレベルを目指せます。下位級から段階的に挑戦していく仕組みなので、無理なく自分のペースでステップアップできるのも安心できるポイントです。
