USCPA(米国公認会計士)とは?
概要・難易度・取得後に活かせる仕事を解説
USCPA(米国公認会計士)の概要
USCPA(米国公認会計士)は、アメリカの公認会計士資格で、米国会計基準(US GAAP)に基づく企業会計や財務報告に関する知識を証明する国際資格です。NASBA(全米州政府会計委員会協会)が試験を運営しており、日本国内でも国際会計に携わる人材として評価される資格として知られています。
※ NASBAとは、アメリカの各州の会計士資格を監督する団体の連合組織です。USCPA試験はアメリカの各州ごとに実施されており、受験者は自分の学歴や単位の状況に合わせて受験する州を選ぶ仕組みになっているとされています。
受験資格 ― 会計・ビジネス関連の単位取得が条件
受験資格は、受験する州ごとに異なりますが、おおむね大学卒業に相当する学位と、会計学やビジネス関連の単位を一定数取得していることが条件とされています。日本の大学を卒業した人でも、不足している単位を米国の大学のオンライン講座などで補うことで受験資格を満たせる場合があるといわれています。
試験内容 ― 4科目すべて英語のコンピュータ試験
試験は、必須3科目と選択1科目の合計4科目構成で、すべて英語によるコンピュータ試験(CBT)として実施されるとされています。各科目は99点満点中75点以上で合格となり、米国会計基準に基づく企業会計の知識のほか、企業結合や税効果会計、州・地方政府や非営利団体に適用される公会計なども出題範囲に含まれるといわれています。
※ 科目合格制とは、4科目を一度にすべて受験する必要はなく、1科目ずつ合格を積み重ねていく方式のことです。一定期間内に全科目に合格すれば資格取得となるため、働きながら段階的に学習を進めやすい制度とされています。
資格取得後の手続き ― 試験合格後に免許登録
4科目すべてに合格した後は、各州が定める実務経験などの要件を満たすことで、正式にUSCPAとしての免許登録ができるとされています。試験合格と免許登録は別の手続きとされており、どの州で登録するかによって必要な実務経験の内容が異なる場合があるといわれています。
※ 実務経験要件とは、試験合格後に免許登録を行うために求められる、会計関連業務での勤務経験のことです。必要な経験年数や業務内容は州によって異なり、すでに会計分野で働いている人は、現在の業務がこの要件に該当するか確認しておくとよいとされています。
難易度・合格率の目安
科目別合格率はおおよそ40〜60%
USCPAの科目別合格率は、おおよそ40%から60%程度で推移しているとされています。日本の公認会計士試験と比べると合格しやすいといわれる一方で、日商簿記1級などと比較すると出題範囲が広く、すべて英語で受験する必要がある点が、この試験の難易度を高めている要因とされています。
英語力と会計知識の両立が課題
USCPAの学習では、米国会計基準という新しい知識を、英語のテキストや問題で学ぶ必要があるとされています。会計の基礎知識をすでに持っている人でも、英語の専門用語や出題形式に慣れるまでに時間がかかることが多く、英語力と会計知識を並行して伸ばす学習計画が重要といわれています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
外資系企業・グローバル企業の経理・財務部門
USCPAは、米国会計基準に基づく財務報告の知識を証明できるため、外資系企業や海外展開を進める日本企業の経理・財務部門で評価されやすいとされています。海外子会社の会計処理や、本社との財務報告のやり取りなどに関わる業務で、その知識を活かせるといわれています。
監査法人での国際会計関連業務
監査法人では、外資系企業や米国に拠点を持つ企業の監査業務において、米国会計基準の知識を持つUSCPA資格者が重宝されることがあるとされています。国際的な会計基準に関わる業務に携わりたい人にとって、強みとなる資格といわれています。
コンサルティング・国際税務分野でのキャリア
会計コンサルティングや国際税務の分野でも、米国会計基準や国際的な会計知識を持つ人材が求められることがあるとされています。USCPAの知識を土台として、より専門的な国際業務へのキャリアを広げる人もいるといわれています。
誕生の背景・歴史
米国企業の会計基準を担う専門資格として
USCPAは、アメリカ国内の企業会計や財務報告の信頼性を担保するための専門資格として整備されてきたとされています。米国の証券市場に上場する企業の財務諸表は、米国会計基準に基づいて作成・監査される必要があり、その専門知識を持つ会計士を認定する制度として位置づけられているといわれています。
※ 米国会計基準(US GAAP)とは、アメリカ国内で企業が財務諸表を作成する際に用いる会計基準のことです。日本の会計基準や国際的な会計基準(IFRS)とは異なる部分があり、米国市場に関わる企業では米国会計基準の知識が必要とされています。
日本人受験者の増加とグローバル化
企業活動のグローバル化が進む中で、日本国内でもUSCPAを取得する人が増えてきたとされています。日本の大学を卒業した人でも、追加の単位取得などを経て受験資格を満たせる仕組みが整えられてきたことが、こうした広がりの背景にあるといわれています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
外資系企業・海外勤務を目指す人
外資系企業への転職や、海外拠点での勤務を目指す人が、USCPAを取得するケースが多いとされています。米国会計基準と英語力を同時に証明できる資格として、海外でのキャリアを考える人にとって有利になるといわれています。
日本の公認会計士・税理士などとのダブルライセンスを目指す人
日本の公認会計士や税理士など、国内資格を持つ人が、国際的な会計知識を補う形でUSCPAを取得するケースもあるとされています。国内外の会計基準の両方に対応できる人材として、キャリアの幅を広げたい人に向いているといわれています。
働きながら段階的にステップアップしたい人
科目合格制を活かして、社会人として働きながら1科目ずつ着実に合格を積み重ねていきたいという人が、USCPAを目指すこともあるとされています。短期間での一発合格を目指す試験ではなく、計画的に取り組みやすい資格といわれています。
豆知識:関連資格との違いとステップアップ
日本の公認会計士との違い
日本の公認会計士は、日本の会計基準に基づき、日本国内での監査業務などを行うための国家資格です。USCPAは米国会計基準に基づくアメリカの資格であり、対象とする会計基準や活躍の場が異なるとされています。両方を取得することで、国内外の会計業務に幅広く対応できる人材になれるといわれています。
BATIC(国際会計検定)との違い
BATIC(国際会計検定)は、英文会計の基礎知識を測る検定で、USCPAと比べて取り組みやすい入門的な位置づけとされています。USCPAを目指す前のステップとして、英文会計や米国会計基準の基礎に触れる目的でBATICを学習する人もいるといわれています。
まとめ ― 米国会計基準と英語力を併せ持つ国際資格
こんな方にとくにおすすめ
- 外資系企業や海外勤務を目指したい方
- 米国会計基準(US GAAP)の知識を身につけたい方
- 英語と会計の両方のスキルを証明したい方
- 働きながら段階的に資格取得を目指したい方
取得に向けた第一歩
まずは自分の学歴や取得済みの単位が、受験資格を満たしているかを確認することが第一歩です。不足している単位がある場合は、オンライン講座などで補うことも検討されます。科目ごとの出題範囲を把握し、英語の会計用語に慣れながら学習を進めることが、合格への近道とされています。最新の受験資格や試験制度は、各州の会計士委員会やNASBAの公式サイトで確認できます。
