外務省専門職員採用試験とは?
概要・難易度・取得後に活かせる仕事を解説
外務省専門職員採用試験の概要
外務省専門職員採用試験は、外務省や在外公館(大使館・総領事館など)で外交・領事業務などを担う中堅職員「外務省専門職員」を採用するための国家公務員試験です。合格後は40数言語の中から研修言語が決定され、特定の語学・地域の専門家として活躍することが期待されているとされています。
※ 外務省専門職員とは、特定の語学やその語学が使われる国・地域の専門家として、在外公館や本省で外交・領事業務にあたる国家公務員のことです。国家公務員総合職とは別に、外務省が独自に採用する専門職試験として位置づけられているとされています。
受験資格 ― 21歳以上30歳未満、学歴不問
外務省専門職員採用試験の受験資格は、21歳以上30歳未満であれば学歴に関係なく受験できるとされています。21歳未満であっても、翌年3月までに大学・短大・高等専門学校を卒業見込みの場合は受験できるといわれています。
試験内容 ― 憲法・国際法・時事論文+外国語会話+人物試験
第1次試験では、憲法や国際法、時事問題に関する論文試験などが課されるとされています。第1次試験を通過すると、第2次試験で外国語会話の試験や、個別面接・グループ討議などの人物試験が実施されるといわれています。語学力だけでなく、国際情勢への理解や論理的な思考力も問われる試験とされています。
採用後の研修 ― 国内研修+在外研修で語学・地域の専門家へ
採用後は、翌年4月から1年3か月程度の国内研修を受け、その後2~3年間の在外研修(海外留学)を経て、研修言語を使用する国・地域の在外公館などに配属されるとされています。研修を通じて、語学力だけでなく、その国・地域の社会・文化・歴史についても深く学んでいくといわれています。
難易度・合格率の目安
倍率は5倍~15倍程度、高い語学力・教養が求められる
外務省専門職員採用試験の倍率は、年度によって5倍から15倍程度まで変動するとされ、ある年度では最終倍率が約10倍だったといわれています。学歴を問わず受験できる一方、高い語学力と国際情勢に関する教養が求められるため、試験の難易度は国家公務員試験の中でも高い水準とされています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
在外公館での外交・領事業務
採用後は、大使館や総領事館などの在外公館に配属され、外交交渉のサポート、現地情報の収集・分析、在留邦人の保護や証明書発行などの領事業務を担当するとされています。語学力を活かして国際的な現場で活躍できる仕事といわれています。
※ 領事業務とは、海外に住む日本人(在留邦人)へのパスポート発行や各種証明書の発行、トラブル時の支援などを行う業務のことです。在外公館の重要な役割のひとつとされ、現地に住む日本人にとって身近な存在となる仕事といわれています。
本省での地域・政策に関する業務
本省勤務の際には、自身が専門とする語学・地域に関する政策の検討や、関係国との連絡調整などを担当するとされています。在外公館勤務と本省勤務を繰り返しながら、地域専門家としての知見を深めていく仕組みになっているといわれています。
国際機関への出向・キャリアの広がり
経験を積むことで、国際機関への出向など、より幅広い国際的なキャリアにつながる道もあるとされています。語学力と専門知識を組み合わせたキャリア形成が可能な職種といわれています。
※ 国際機関への出向とは、国家公務員としての身分を保ちながら、国連やその関連機関などで一定期間勤務することを指します。外務省専門職員としての経験や語学力は、こうした国際機関での勤務にもつながる土台になるとされています。
誕生の背景・歴史
語学・地域専門家を確保するための専門職試験
外交・領事業務を行うには、特定の言語や、その言語が使われる国・地域の社会・文化・歴史に関する深い知識が必要とされています。このような専門性を持つ人材を計画的に確保するため、国家公務員総合職とは別に、外務省が独自に専門職員を採用する試験が設けられてきたとされています。
※ 研修言語とは、外務省専門職員として採用された後、本人の希望や省の方針などをもとに決定される、今後専門として学んでいく言語のことです。40数言語の中から決定されるとされ、その言語が使われる国・地域の専門家としてのキャリアの土台になるといわれています。
本省勤務と在外公館勤務を繰り返すキャリア形成
外務省専門職員は、採用後の研修を終えた後も、おおむね5~6年ごとに本省勤務と在外公館勤務を繰り返すキャリアパスが用意されているとされています。こうした勤務形態を通じて、語学力だけでなく、対象国・地域に関する総合的な専門性を積み重ねていく仕組みが整えられてきたといわれています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
語学力を活かして国際的な仕事をしたい人
大学で外国語や国際関係を学んでいる学生など、語学力を活かして国際的な舞台で活躍したいという思いから、外務省専門職員を志望するケースが多いとされています。
特定の国・地域の専門家を目指す人
特定の国・地域の社会や文化に関心があり、その分野の専門家として長期的にキャリアを積みたいと考える人が、外務省専門職員を志望することもあるとされています。研修言語の決定によって、自身の専門分野が方向づけられる点も特徴といわれています。
外交の現場で日本を支えたい人
在外公館での実務を通じて、日本と海外をつなぐ仕事に携わりたいという思いから受験する人もいるとされています。在留邦人の支援や外交交渉のサポートなど、現場で日本を支える役割を担えることが魅力のひとつといわれています。
豆知識:関連資格との違いとステップアップ
国家公務員総合職(外務省採用)との違い
外務省には、国家公務員総合職試験を経て採用される、いわゆる「外交官」と呼ばれる職員もいるとされています。外務省専門職員は、特定の語学・地域に関する専門性を重視した中堅職員としての位置づけである点が異なり、試験内容やキャリアパスにも違いがあるといわれています。
JICA職員など国際協力関連の仕事との違い
JICA(国際協力機構)の職員は、開発協力プロジェクトの実施などを担う独立行政法人の職員です。外務省専門職員は国家公務員として外交・領事業務を担う点が異なりますが、いずれも国際的な分野で日本と海外をつなぐ仕事という点で関連しているといわれています。
まとめ ― 語学と専門知識で外交を支える国家公務員
こんな方にとくにおすすめ
- 語学力を活かして国際的な仕事をしたい方
- 特定の国・地域の専門家として長期的にキャリアを積みたい方
- 在外公館での実務を通じて日本を支えたい方
- 国際情勢への関心が高く、論理的な思考力に自信がある方
取得に向けた第一歩
まずは年齢要件(21歳以上30歳未満、卒業見込みの場合は21歳未満でも可)を確認し、憲法・国際法・時事問題に関する論文対策と、外国語会話力の強化を計画的に進めることが第一歩です。倍率が高い試験のため、早めの対策が重要とされています。最新の試験日程・受験資格は、外務省の公式サイトで確認できます。
