刑務官採用試験について

実技試験あり筆記試験誰でも受験可
国家資格

刑務官採用試験とは?

概要・難易度・取得後に活かせる仕事を解説

刑務官採用試験の概要

刑務官採用試験は、刑務所や拘置所などの矯正施設に勤務し、被収容者の処遇や施設の警備にあたる「刑務官」を採用するための国家公務員試験です。法務省が実施しており、学歴や性別を問わず受験できる試験として知られています。

刑務官とは、刑務所・拘置所・少年刑務所などの矯正施設に勤務し、被収容者の生活指導や作業の指導、施設の警備などを担当する国家公務員のことです。被収容者の更生を支援し、再犯防止につなげる役割を担っているとされています。

受験資格 ― 18歳~29歳、学歴・性別不問

刑務官採用試験の受験資格は、18歳以上29歳未満であれば、学歴や性別を問わず受験できるとされています。試験区分は、男性を対象とした「刑務A」、女性を対象とした「刑務B」のほか、社会人経験者向けや、柔道・剣道などの武道経験者向けの区分も設けられているといわれています。

試験内容 ― 基礎能力試験+作文+人物試験+体力検査

第1次試験では、基礎能力試験(40題90分、知能分野と知識分野からの出題)と作文試験が課されるとされています。武道区分で受験する場合は、柔道または剣道の実技試験も実施されるといわれています。第1次試験を通過すると、第2次試験で個別面接(人物試験)、身体検査、身体測定、体力検査が行われるとされています。

採用後の研修 ― 矯正研修所での専門教育

採用された後は、矯正研修所などで矯正に関する法律知識や、被収容者への対応方法、護身術などの専門的な研修を受けるとされています。試験合格時点で専門知識がなくても、研修を通じて必要なスキルを身につけていく仕組みになっているといわれています。

矯正研修所とは、法務省が所管する施設で、刑務官をはじめとする矯正職員に対して、職務に必要な法律知識や処遇技術、護身術などの研修を行う機関です。新規採用職員はまずこの研修所での教育を受けるとされています。

難易度・合格率の目安

★★★☆☆ 倍率は2倍台程度とされ、学歴不問で受験しやすい一方、体力検査や面接対策も重要な試験です

倍率は2倍台、筆記以外の対策も重要

刑務官採用試験の倍率は、近年でおおよそ2倍台後半程度とされ、他の国家公務員試験と比較すると受験しやすい水準といわれています。一方で、基礎能力試験の対策に加えて、作文・面接・体力検査といった筆記以外の評価も重視されるため、総合的な準備が必要とされています。

合格率の目安:2024年度の最終倍率は約2.5倍とされ、合格率はおおよそ40%前後の水準といわれています。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

刑務所・拘置所での被収容者の処遇・警備

採用後は、刑務所や拘置所などの矯正施設に配属され、被収容者の生活指導、作業の指導・監督、施設内の警備などを担当するとされています。規律ある環境の中で、被収容者の更生を支える仕事といわれています。

分類調査・教育プログラムへの関与

経験を積むことで、被収容者の処遇方針を検討する分類調査や、再犯防止のための教育プログラムの実施に関わる道もあるとされています。被収容者一人ひとりに合わせた処遇を考える、専門性の高い業務といわれています。

武道経験を活かした護身術指導

柔道・剣道などの武道経験を持つ刑務官は、新人職員への護身術指導や、施設内での緊急時対応などに携わる機会もあるとされています。武道区分で採用された人材が、その経験を活かせる場面のひとつといわれています。

誕生の背景・歴史

監獄法から刑事収容施設法への移行

刑務官が勤務する矯正施設の運営に関するルールは、長らく1908年(明治41年)に制定された監獄法に基づいていたとされています。その後、2006年(平成18年)に「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」が施行され、被収容者の処遇に関するルールが大きく見直されたといわれています。

刑事収容施設法とは、刑務所・拘置所などにおける被収容者の処遇や、施設の管理運営に関する基本的なルールを定めた法律です。被収容者の人権に配慮した処遇の充実が図られた点が、従来の監獄法からの大きな変化とされています。

更生・再犯防止への重点化

近年の矯正行政では、被収容者の更生支援や再犯防止に向けた教育プログラムの充実が重視されているとされています。刑務官の役割も、単なる警備や管理だけでなく、被収容者の社会復帰を支える専門職としての側面が強まっているといわれています。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

学歴を問わず安定した職業を目指す人

学歴や専攻を問わず受験できることから、高校卒業後すぐに安定した国家公務員としてのキャリアを目指す人が多いとされています。年齢要件を満たせば、社会人経験者も受験できる点も特徴といわれています。

体力や武道経験を活かしたい人

体力検査が課されることから、体を動かすことが得意な人や、柔道・剣道などの武道経験を活かしたい人が、武道区分などで受験するケースもあるとされています。

人の更生支援に関わりたい人

被収容者の更生支援や再犯防止に貢献したいという思いから、刑務官を目指す人もいるとされています。社会的な意義を感じながら働ける仕事として志望されることが多いといわれています。

豆知識:関連資格との違いとステップアップ

法務省専門職員(人間科学)との関係

法務省には、心理学などの専門知識を活かして矯正施設や少年鑑別所で勤務する「法務省専門職員(人間科学)」という試験区分もあるとされています。刑務官とは試験内容や求められる専門性が異なりますが、いずれも矯正・更生に関わる仕事という点で関連しているといわれています。

法務省専門職員(人間科学)とは、心理学・教育学・福祉などの専門知識を活かし、矯正施設や少年鑑別所、保護観察所などで被収容者・対象者の処遇や指導に携わる国家公務員試験区分です。刑務官とは異なる専門性が求められるとされています。

警察官採用試験との違い

警察官採用試験は、地域の治安維持や事件の捜査などを担う地方公務員を採用する試験です。刑務官は、すでに刑が確定した被収容者の処遇・更生支援を担う国家公務員である点が異なり、職務の対象や役割に違いがあるとされています。

まとめ ― 更生支援と社会の安全を担う国家公務員

こんな方にとくにおすすめ

  • 学歴を問わず安定した国家公務員を目指す方
  • 体力や武道経験を仕事に活かしたい方
  • 人の更生支援や社会の安全に貢献したい方
  • 規律ある環境で働くことに意欲がある方

取得に向けた第一歩

まずは年齢要件(18歳~29歳)を確認し、基礎能力試験の対策を進めながら、作文・面接・体力検査にも備えることが第一歩です。武道経験がある人は、武道区分での受験も選択肢のひとつとなります。最新の試験日程・受験資格は、法務省や人事院の公式サイトで確認できます。