地方公務員採用試験(上級・大卒程度)とは?
概要・難易度・取得後に活かせる仕事を解説
地方公務員採用試験(上級・大卒程度)の概要
地方公務員採用試験(上級・大卒程度)は、都道府県・政令指定都市・特別区(東京23区)などが実施する、大学卒業程度の地方公務員を採用するための試験です。「地方上級」とも呼ばれ、自治体によっては「Ⅰ類」「Ⅰ種」といった名称が使われることもあるとされています。
※ 地方上級とは、都道府県や政令指定都市・特別区が実施する、大学卒業程度の試験区分を指す通称です。試験名は自治体によって異なり、「上級」「Ⅰ類」「大卒程度」などさまざまな表記が使われているとされています。
受験資格 ― 年齢要件は自治体ごとに異なる
地方上級採用試験の受験資格は、自治体によって異なりますが、おおむね年齢上限が30歳前後に設定されているケースが多いとされています。「大卒程度」という区分は問題の難易度を示すものであり、学歴を問わず受験できる自治体もあるといわれています。
試験内容 ― 教養試験+専門試験+論文+面接
第1次試験では、教養試験(数的処理・文章理解・社会科学など)と専門試験(法律・経済・行政学など)が課されるとされています。教養科目だけでも15科目程度、専門科目を合わせると30科目程度の対策が必要になるとされ、試験範囲の広さが特徴とされています。第1次試験を通過すると、論文試験と面接などの人物試験が実施されるとされています。
採用後の配属 ― 本庁・出先機関でのジョブローテーション
採用後は、都道府県庁の本庁各部局や、地域に設置された出先機関(県税事務所・保健所など)に配属され、数年ごとに異動しながら経験を積むとされています。市役所と同様、特定分野に限らず幅広い行政分野に携わる機会があるといわれています。
難易度・合格率の目安
倍率は2倍~8倍程度、出題範囲の広さが特徴
地方上級採用試験の倍率は、自治体や試験形式によって2倍から8倍程度まで幅があるとされ、全体の平均は3倍台程度という調査結果もあるとされています。一般的に、教養試験のみで受験できる試験形式は倍率が高くなりやすく、教養試験と専門試験を組み合わせた形式は倍率が比較的低くなる傾向があるといわれています。
※ 教養試験のみの形式とは、専門試験を課さず、数的処理や文章理解などの教養科目と論文・面接で合否を判断する試験形式のことです。受験者の対策負担が比較的軽いため、応募者が増えて倍率が高くなりやすいとされています。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
都道府県庁本庁での政策・予算関連業務
採用後は、都道府県庁の本庁に配属され、地域全体に関わる政策の企画立案、予算編成、市町村との調整などを担当するとされています。広域的な視点で地域づくりに関わる仕事といわれています。
出先機関での専門的な行政サービス
県税事務所・保健所・土木事務所など、地域に設置された出先機関に配属され、より専門的で現場に近い行政サービスを担当する道もあるとされています。住民や事業者と直接関わる機会が多い仕事といわれています。
※ 出先機関とは、本庁の方針に基づき、地域ごとに設置された現場の事務所のことです。県税事務所(税金関連)、保健所(衛生・福祉関連)、土木事務所(道路・河川等の管理)など、分野ごとに専門性の高い業務を担っているとされています。
国家公務員や市町村職員へのキャリアの広がり
地方上級として培った行政知識や実務経験は、国家公務員一般職や市町村との人事交流など、より広いキャリアの選択肢につながることもあるとされています。
誕生の背景・歴史
地方自治法・地方公務員法に基づく採用制度
地方公務員採用試験は、戦後に整備された地方自治法・地方公務員法に基づき、各都道府県・政令指定都市・特別区が独自に実施する仕組みとして発展してきたとされています。国家公務員試験と同様に、成績主義(競争試験による採用)の原則のもとで運用されているといわれています。
※ 広域自治体とは、都道府県のように、複数の市町村をまとめて広域的な施策を担う行政単位のことです。地方上級は、この広域自治体の職員を採用する試験として位置づけられているとされています。
試験形式の多様化
近年は、教養試験と専門試験を組み合わせた従来型に加え、教養試験のみの形式やSPI3などの適性検査を活用する形式を導入する自治体も増えているとされています。受験者の選択肢が広がる一方、自治体ごとに試験形式が異なるため、志望先の最新情報を確認することが重要といわれています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
広域的な地域づくりに関わりたい人
市町村単位ではなく、都道府県全体に関わる政策や事業に携わりたいという思いから、地方上級を志望するケースが多いとされています。複数の市町村にまたがる課題に取り組める点が魅力のひとつといわれています。
専門知識を活かして行政分野で働きたい人
大学で法律・経済・行政学などを学んでいる学生が、専門試験で学んだ知識を活かせる職業として地方上級を志望するケースも多いとされています。出先機関での専門的な業務に関心がある人にも向いているといわれています。
国家公務員試験と併願したい人
国家公務員一般職試験と試験科目が共通する部分が多いことから、両方を併願して受験する人も多いとされています。対策の負担を抑えながら、受験の選択肢を広げられる点がメリットといわれています。
豆知識:関連資格との違いとステップアップ
市役所職員採用試験との違い
市役所職員採用試験は、住民に最も近い基礎自治体である市町村の職員を採用する試験です。地方上級は、より広域的な都道府県・政令指定都市・特別区の職員を採用する試験である点が異なり、配属先の業務範囲や規模にも違いがあるとされています。
国家公務員一般職試験との違い
国家公務員一般職試験は、中央省庁やその地方支分部局に勤務する国家公務員を採用する試験です。地方上級は、都道府県などの地方自治体に勤務する点が異なりますが、試験科目には共通する部分が多く、両方を視野に入れて対策する受験者も多いとされています。
まとめ ― 地域全体を支える行政職員への道
こんな方にとくにおすすめ
- 広域的な地域づくりに関わりたい方
- 法律・経済・行政学などの専門知識を活かしたい方
- 出先機関での専門的な行政サービスに関心がある方
- 国家公務員試験と併願して選択肢を広げたい方
取得に向けた第一歩
まずは志望する自治体の受験資格・試験形式(教養のみか専門試験ありか)を確認することが第一歩です。専門試験を含む形式では出題範囲が広いため、早めに学習を始めることが合格への近道とされています。最新の試験日程・受験資格は、各自治体の公式サイトで確認できます。
