着付け技能検定とは?
概要・難易度・美容師免許との関係を解説
着付け技能検定の概要
着付け技能検定は、職業能力開発促進法に基づく国家検定制度のひとつで、着付けに関する知識と技能を問う試験です。等級は1級・2級に分かれており、合格者には等級に応じて「○級着付け技能士」という称号が与えられます。2010年度から実施されている、比較的新しい国家検定です。
※ 着付けとは、着物を正しい形に整えて身につける技術のことです。自分自身に着物を着る「自装」と、他の人に着物を着せる「他装」があり、着付け技能検定では主に他装の技能が評価の対象となります。
試験の出題範囲と形式
試験は学科試験と実技試験で構成されています。学科試験は記述・選択・択一方式で60分程度、実技試験は2時間30分から3時間程度かけて行われるとされています。合格基準は学科・実技とも100点満点中、2級は60点以上、1級は70点以上とされ、1級は2級よりも広範な知識・技能が求められます。
受験資格・対象者 ― 実務経験が必要
着付け技能検定の受験には、着付けや着付け指導の実務経験が必要とされています。2級は最大2年、1級は最大5年の実務経験が受験資格の目安となっており、実務経験の年数は学歴によって短縮される場合もあるとされています。誰でもすぐに受験できる検定ではなく、現場での経験を積んだうえで挑戦する国家検定という位置づけです。
「○級着付け技能士」という称号
着付け技能検定に合格すると、「1級着付け技能士」「2級着付け技能士」という国家資格の称号を名乗ることができます。技能検定は労働者の技能を公証する制度であるため、この称号は着付けの技術と知識が一定の基準を満たしていることの公的な証明として扱われます。
※ 技能検定とは、職業能力開発促進法に基づき、働く人の技能を一定の基準で評価し、公的に証明する国家検定制度のことです。着付けのほか、調理や美容、機械加工など多くの職種で実施されています。
難易度・学習時間の目安
2級の合格率はおおむね70%強で推移しているとされ、実務経験を積みながら対策をすれば対応しやすいレベルとされています。一方で1級は合格率が50%を下回る年もあるとされ、年々難易度が上がっている傾向があるといわれています。1級では2級よりも幅広い着物・帯の種類や、より複雑な着付けの技能が求められます。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
着物レンタル店・写真館の着付けスタッフ
成人式や卒業式、七五三などで着物をレンタルする店舗や写真館では、お客様に着物を着付けるスタッフが必要とされています。着付け技能検定で技術を証明していることが、こうした現場での採用や接客の場面で評価されることがあるとされています。
ブライダル業界の着付け担当
結婚式や前撮りで和装を選ぶカップルも多く、ブライダル業界では花嫁・花婿の着付けを担当するスタッフが必要とされています。着付け技能検定で身につけた技術は、こうした現場で直接活かせるとされています。
着付け教室の講師
1級まで取得し実務経験を積むと、これから着付けを学びたい人に向けて、着付け教室やカルチャースクールで講師として活動する道につながる場合もあります。国家検定の称号を持っていることが、教える立場としての信頼材料になるとされています。
誕生の背景・歴史
2009年:着付けが技能検定の対象職種に
2009年(平成21年)の職業能力開発促進法の改正により、「着付け」が新たに技能検定の対象職種として追加されました。これにより、着付けの技能を国家検定として評価する仕組みが整うことになりました。
2010年:全日本着付け技能センターの指定
2010年(平成22年)2月、一般社団法人全日本着付け技能センターが、着付け職種の技能検定を実施する指定試験機関として厚生労働大臣から指定を受けました。これにより、着付け技能検定が国家検定として本格的にスタートしたとされています。
※ 一般社団法人全日本着付け技能センターとは、厚生労働大臣から着付け職種の指定試験機関として指定を受け、着付け技能検定の実施を担っている団体です。
※ 着付け技能検定の実施にあたっては、一般社団法人全日本きもの振興会など、きもの業界の団体も運営に協力しているとされています。着物文化の振興という観点からも、業界全体で資格制度を支えている構図がうかがえます。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
着物に関わる仕事をしている人
着物レンタル店や写真館、ブライダル関連の現場で着付けを担当している人が、自分の技術を国家検定で証明するために挑戦するケースが多いとされています。
着付け教室・スクールの生徒
着付け教室で学んでいる人が、学んだ技術の到達点として国家検定に挑戦することもあります。実務経験の条件を満たすために、教室での指導経験などが考慮される場合もあるとされています。
美容師免許を持つ人のスキル追加
美容師として働く人が、ヘアセットに加えて着付けの技術を身につけることで、成人式や卒業式シーズンの対応力を高める目的で取得を目指すこともあるとされています。
豆知識:着付けと美容師免許の関係
着付けのみであれば美容師免許は不要とされる
まつ毛エクステンションなど一部の施術には美容師免許が必要とされていますが、着付けについては、髪をセットするなどの「美容」に該当する行為を伴わない場合、美容師免許がなくても行えるとされています。着付け技能検定は、美容師免許とは別の、独立した国家検定として位置づけられている点が特徴です。
美容師免許と組み合わせることで対応力が広がる
とはいえ、成人式や卒業式などでは、着付けとヘアセットをまとめて1人のスタッフが担当することも多くあります。そのため、美容師免許と着付け技能検定の両方を持っていると、対応できる業務の幅が広がるという紹介のされ方もあります。
まとめ ― 着物文化を支える国家検定
こんな方にとくにおすすめ
- 着物レンタル店・写真館・ブライダル業界で着付けを担当している方
- 着付け教室で学んでいる方
- 美容師免許を持ち、着付けのスキルを追加したい方
- 着物文化に関わる仕事で技術を証明したい方
取得に向けた第一歩
まずは着付け教室などで技術を学び、実務経験を積むことが第一歩になります。受験資格となる実務経験の年数は学歴によって異なる場合があるため、自分の状況に当てはめて確認することが大切です。最新の試験日程や受験要項は、全日本着付け技能センターの公式サイトで確認できます。
