Webアナリスト検定とは?
概要・難易度・取得後に活かせる仕事を解説
Webアナリスト検定の概要
Webアナリスト検定は、一般社団法人日本Web協会(JWA)が運営する検定試験で、Webサイトの課題をデータで読み解き、改善施策を導く力を認定します。アクセス解析の数値を見るだけでなく、その数値から「サイトのどこに問題があるのか」「次にどんな施策を打つべきか」まで考える、Webマーケティングの実践的なPDCAサイクルに焦点を当てているのが特徴です。
※ PDCAサイクルとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返しながら、業務の質を高めていく考え方のことです。Webマーケティングでは、施策の実行と効果測定を繰り返すサイクルを指すことが多い言葉です。
試験の出題範囲と形式
試験はオンライン受験で、選択式75問・試験時間60分という構成です。出題範囲には、アクセス解析の基本指標(訪問者数・直帰率・コンバージョン率など)の意味、改善施策の立て方、広告運用やSEOとの関係など、Webサイト運営全般に関わる知識が含まれます。実技課題の提出は求められず、知識を問う形式の試験です。
※ コンバージョン率とは、Webサイトを訪れた人のうち、商品購入や問い合わせなど「成果」につながった人の割合のことです。Webサイトの効果を測るうえで重視される指標の一つです。
合格基準の特徴
Webアナリスト検定の合格基準は「各カテゴリで40%以上、かつ全体で75%以上の正解」というように、2段階で設定されています。出題範囲全体の正答率が高くても、特定の分野の理解が極端に不足していると合格できない仕組みになっており、特定の知識だけに偏らず、Webサイト運営に関わる知識をバランスよく身につけているかどうかが問われます。
受験資格・受験スタイル
受験資格に年齢・学歴などの制限はなく、誰でも受験できます。また、事前の公式講座の受講が必須ではなく、「試験のみ」を単独で申し込むことも可能です。講座とセットで受講するか、試験のみを受験するかを自分の理解度に合わせて選べる柔軟さも特徴の一つです。
難易度・学習時間の目安
学習時間の目安は20〜30時間程度とされています。アクセス解析の基本指標の意味を覚えるだけでなく、「この数値が悪い場合、何を改善すればよいか」という施策面の知識まで問われるため、用語の暗記だけで臨むと、各カテゴリ40%以上というハードルでつまずきやすくなります。実際のWebサイトの分析画面に触れながら学習を進めると効果的です。
※ 直帰率とは、Webサイトを訪れた人が、最初の1ページだけを見て他のページに移動せずに離脱した割合のことです。ページの内容と訪問者の目的が合っているかを判断する指標として使われます。
※ 日本Web協会(JWA)とは、Webアナリスト検定のほか、Webサイト制作・運営のプロジェクト管理に関する「Web PM認定資格」などを運営する一般社団法人です。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
Webマーケティング担当者・運用担当者
自社サイトやECサイトのアクセスデータをもとに、広告運用やコンテンツの改善を日常的に行う担当者にとって、Webアナリスト検定で学ぶ「データから施策につなげる」考え方は、業務そのものに直結します。
Web制作会社・運用代行会社の担当者
クライアントのサイトを制作・運用する立場では、公開後のアクセス状況をレポートし、改善提案を行う場面が増えています。指標の意味を正しく説明できることは、クライアントとの信頼関係を築くうえでも重要です。
広告運用・SEO担当者
広告の出稿やSEO施策を担当する人にとっても、サイト全体のアクセスデータを踏まえて優先順位をつける視点は欠かせません。Webアナリスト検定の学習は、こうした全体最適の視点を養う土台になります。
誕生の背景・歴史
「数値は見られるが、次の一手が分からない」という課題
Webサイトのアクセス解析ツールが普及したことで、訪問者数やページビューなどの数値そのものは誰でも確認できるようになりました。しかし、その数値を見て「何が課題で、何を改善すればよいか」を判断できる人材は限られているという課題が、多くの企業で共通して挙がっていました。Webアナリスト検定は、こうした「数値を読む力」と「施策に落とし込む力」をあわせて認定する資格として、日本Web協会により整備されました。
Web運営全体を見渡す資格群の一つとして
日本Web協会では、Webアナリスト検定とあわせて「Web PM(Webプロジェクトマネジメント)認定資格」も提供しています。アクセス解析・改善提案を担うWebアナリスト検定と、サイト制作・運営のプロジェクト全体を管理するWeb PM認定資格は、Webサイト運営に関わる業務を「分析」と「進行管理」の両面から支える資格として位置づけられています。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
未経験からWebマーケティング職を目指す人
異業種からWebマーケティングの仕事への転職を目指す人にとって、Webアナリスト検定は「データを読み、施策を考える力」を客観的に示す材料になります。試験のみの受験も可能なため、まずは知識の確認として挑戦しやすい資格です。
サイト運営の自己流をチェックしたい担当者
すでに自社サイトの運用を担当している人が、自己流で身につけた知識に偏りがないかを確認する目的で受験するケースもあります。各カテゴリ40%以上という基準があるため、苦手分野が可視化されやすいのが特徴です。
関連資格とあわせてキャリアの幅を広げたい人
すでにウェブ解析士などのデータ分析系資格を持っている人が、Webアナリスト検定を追加で取得し、異なる団体・出題傾向の試験を通じて知識の抜けを補う目的で活用するケースも見られます。
豆知識:「全体75%」だけでは合格できない理由
「得意分野で稼ぐ」が通用しない設計
多くの試験では、苦手分野があっても得意分野でカバーすれば全体の合格基準を満たせることがあります。しかしWebアナリスト検定では、全体で75%以上の正解に加えて、各カテゴリで40%以上という基準が同時に課されます。つまり、得意な分野で満点近く取れても、別のカテゴリの正答率が基準を下回っていれば不合格になります。これは、Webサイト運営の現場では「分析は得意だが改善提案は苦手」「数値は読めるが広告の知識がない」といった偏りが、実務上の弱点に直結しやすいことを反映した設計といえます。
「試験のみ」受験という選択肢
多くの講座一体型の検定では、講座の受講料と試験料がセットになっていることが一般的です。Webアナリスト検定では、講座とセットの申し込みのほか、「試験のみ」を単独で申し込むことも可能になっています。すでに実務でWebマーケティングに携わっている人が、自分の知識を客観的に証明する手段として、講座を省略して試験だけを受けるという使い方もできます。
まとめ ― Webアナリスト検定は「数値の先」を考える力を試す資格
こんな方にとくにおすすめ
- Webマーケティングの仕事に興味があり、データ分析から施策提案までの流れを学びたい方
- すでにサイト運用を担当しており、知識の偏りがないか確認したい方
- 講座を受けずに、まずは試験で自分の知識レベルを確認したい方
取得に向けた第一歩
まずは訪問者数・直帰率・コンバージョン率といった基本指標の意味を一通り押さえ、自社サイトや身近なサイトのアクセスデータを実際に見ながら「この数値ならどう改善するか」を考える練習をしてみましょう。データ分析系の資格として、「ウェブ解析士について」のページもあわせてご覧ください。
