G検定(ディープラーニング検定)について

CBT・オンライン試験誰でも受験可
民間資格

G検定(ディープラーニング検定)とは?

概要・難易度・AIを「使いこなす人材」への登竜門を解説

G検定(ディープラーニング検定)の概要

G検定は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が2017年から実施しているAI・ディープラーニングの知識を問う検定試験です。「ディープラーニングを事業活用するための基礎知識を有するかどうか」を認定することを目的としており、エンジニアだけでなく、ビジネス職・企画職・管理職など、AIを「使う側」のすべての職種を対象に設計されています。2024年までの累計受験者数は10万人を超え、企業の法人一括受験も盛んな、国内最大規模のAI系検定です。

ディープラーニング(深層学習)とは、人間の脳神経回路を模した「ニューラルネットワーク」を多層に重ねることで、画像認識・音声認識・自然言語処理などを高精度に実現する機械学習の手法です。ChatGPT・画像生成AI・自動翻訳など、現代のAIサービスの多くがこの技術を基盤にしています。

試験の構成と出題範囲

試験は選択式(多肢択一)で、約200問が出題されます。出題範囲はAIの歴史・機械学習の基礎・ディープラーニングの仕組み・自然言語処理・画像認識・AIの社会実装・法律・倫理など多岐にわたります。数学やプログラミングの知識は問われますが、実装(コードを書く)は不要で、「AIとは何か・どう使うか」という概念的な理解が中心です。

自宅で受験できるオンライン形式

G検定は自宅のPCから受験できるオンライン形式です。年に複数回(2〜3回程度)実施されます。試験中はテキストや参考資料を参照することが許可されており、「完全に暗記する」より「体系的に理解して素早く調べられる」力が問われる設計になっています。受験料は一般が13,200円、学生が5,500円(いずれも税込・変更の可能性があるため受験前に公式サイトをご確認ください)。

JDLA(日本ディープラーニング協会)とは、ディープラーニングを中心とする技術の普及と産業応用を目的に2017年に設立された一般社団法人です。松尾豊・東京大学教授を理事長に迎え、ソフトバンク・トヨタ・NTTなど主要企業が加盟しています。G検定・E資格の認定機関として、日本全体のAI人材育成を推進しています。

法人受験・企業研修での活用が活発

G検定は個人受験だけでなく、企業が社員を一括受験させるケースが非常に多い点が特徴です。「DX推進のためにAIリテラシーを全社員に普及させたい」という目的で受験を奨励している企業が多く、受験者の中には上司・人事部門からの推薦で受験した会社員も少なくありません。

難易度・学習時間の目安

★★☆☆☆ やや易〜中級 ― 参照可能なオープンブック形式だが出題範囲が広い

試験中は参考資料を参照できるため、純粋な暗記量は少ない試験です。ただし出題数が多く(約200問)、時間内に効率よく回答するためには、重要ポイントを理解・整理した状態で臨む必要があります。AI・機械学習の基礎から始める場合の学習時間の目安は50〜100時間程度が一般的です。理系・IT系の知識がある場合はより短時間で合格できるケースも多いです。

合格率の目安と学習のポイント

合格率の目安:60〜65%程度で推移しています。オープンブック形式であることもあり、しっかり準備すれば比較的合格しやすい試験です。試験範囲が広いため、「全体像をつかむ→頻出テーマを深掘り」という学習の流れが効率的です。

公式テキスト(シラバス)と過去問・模擬問題を組み合わせた学習が定番です。数学の知識(微分・線形代数・確率)が問われる場面があるため、文系出身の方はこの分野だけ集中的に準備しておくと安心です。

取得後に活かせる仕事・関連する職種

AIプロジェクトを推進するビジネス職・企画職

AIツールの導入検討・ベンダー選定・プロジェクト管理など、AIを「発注・管理する側」のビジネス職では、G検定で得られるAI基礎知識が直接役立ちます。技術者との会話をスムーズにし、「AIに何ができて何ができないか」を正確に理解したうえでプロジェクトを推進できる人材として重宝されます。

AIリテラシーとは、AIの仕組みや活用方法・限界・倫理的課題を正しく理解し、業務や生活の中で適切に使いこなす能力のことです。ChatGPTなどの生成AIが普及した現代では、エンジニア以外の職種でもAIリテラシーが求められる場面が増えています。G検定はこのAIリテラシーを体系的に学ぶ手段として広く活用されています。

データサイエンティスト・機械学習エンジニアへのステップ

AIを実装する側のエンジニアを目指す場合、G検定は「理論・概念の土台を作る入口」として位置づけられます。G検定で基礎知識を固めた後、上位資格のE資格(ディープラーニング協会認定エンジニア資格)へのステップアップが自然な流れです。

社内でのAI推進・教育担当

企業のDX推進部門・人材育成部門では、「社内のAI教育を担当できる人材」のニーズが高まっています。G検定の取得者が「AIを説明できる人」として社内研修の講師や推進担当に任命されるケースも増えています。資格そのものが仕事になるケースがある資格です。

誕生の背景・歴史

2017年:AIブームの中で日本初のディープラーニング検定が誕生

2016〜17年は、AlphaGoが世界チャンピオンの囲碁棋士を破り、AIへの世間の注目が急激に高まった時期です。「ディープラーニングを産業応用できる人材を日本に育てる」という使命のもと、松尾豊・東京大学教授らが中心となってJDLA(日本ディープラーニング協会)を設立し、その普及検定としてG検定(および上位のE資格)が2017年にスタートしました。

AlphaGo(アルファご)とは、Google DeepMindが開発した囲碁AIです。2016年に世界トップクラスの囲碁棋士・李世乭(イ・セドル)九段を4勝1敗で破り、「AIが人間を超えた」という象徴的な出来事として世界中に衝撃を与えました。この出来事がAI・ディープラーニングへの社会的関心を急激に高め、G検定誕生の背景にもなっています。

生成AIブームでさらに注目が拡大

2022〜23年のChatGPT登場以降、「AIを使いこなす人材」の需要はさらに加速しました。G検定の受験者層も拡大し、以前は情報系・技術系職種が中心だった受験者が、営業・マーケティング・人事・経営企画など文系・非技術職にも広がっています。「AIは一部の専門家のもの」から「全ビジネスパーソンの共通語」への変化を象徴する試験です。

どんな人が、どんな目的で取得しているのか

AIを業務に活用したいビジネスパーソン

「AIが注目されているが、自分には関係のない話」と思っていたビジネス職・管理職の方が、会社の推薦や自己啓発として学習し、受験するケースが急増しています。G検定の学習を通じて「ChatGPTをどう業務に使うか」「AI導入のリスクをどう評価するか」という実践的な視点が養われると評価されています。

理系学生・AI系エンジニア志望者

大学・大学院でAI・機械学習を研究している学生が、就職活動前に「AIの基礎知識を証明する資格」として取得するケースが多いです。学生料金(5,500円)で受験できる点も、学生にとって取り組みやすい要因のひとつです。G検定取得後にE資格へ挑戦するロードマップが、AI系エンジニア志望者の定番になっています。

DX・AI推進を担う企業の若手社員

会社全体のDX推進を任された部署や、新たにAI活用を進めようとしている企業の若手社員が、「まず自分が勉強して社内に広める」目的で受験するパターンもあります。資格手当・昇格条件としてG検定を設定している企業も増えており、「会社の方針として取る」という動機も多いです。

豆知識:G検定の「G」は「ジェネラリスト」のG

E資格との対比で見えるJDLAの設計思想

G検定の「G」はGeneralist(ジェネラリスト)の頭文字で、「AIを幅広く理解する非専門家」を意味します。対してE資格の「E」はEngineer(エンジニア)の「E」で、「AIを実装できる専門家」を認定するものです。G=使いこなす側、E=作る側、という明確な役割分担がJDLAの設計思想に込められており、どちらが上・下というわけではなく、それぞれ異なるキャリアに対応した資格です。

松尾豊教授と日本のAI人材戦略

JDLAの中心人物である松尾豊・東京大学教授は、日本のAI研究・政策の第一人者です。政府のAI戦略会議にも参加し、「日本が世界のAI競争で遅れをとらないための人材育成」を長年訴えてきました。G検定・E資格はその具体的な施策のひとつとして設計されており、「産学連携で国のAI人材を底上げする」という国家的な文脈を持つ試験でもあります。

まとめ ― AIを「使いこなす全ビジネスパーソン」のスタンダードへ

こんな方にとくにおすすめ

  • AIやDXに関わるプロジェクトを担当しているビジネス職・企画職の方
  • 会社からAI関連の学習・資格取得を求められている会社員
  • AIエンジニアを目指す学生・転職希望者(E資格への足がかりとして)
  • ChatGPTなどの生成AIを業務に活用したいが、基礎知識に自信がない方

取得に向けた第一歩と、その先のステップ

JDLAが公開している公式シラバスと、市販のG検定対策本(「徹底攻略ディープラーニングG検定問題集」など)を使った学習が定番です。試験中に参照できる自分専用のまとめノートを事前に作っておくと、本番での調べ直し時間を短縮できます。合格後は、AIを実装できるエンジニアを目指す場合はE資格へ、ビジネス活用を深めたい場合はデータサイエンティスト検定や統計検定への挑戦が自然なステップです。