Microsoft Azure認定資格とは?
概要・難易度・マイクロソフト公式のクラウド資格を解説
Microsoft Azure認定資格の概要
Microsoft Azure認定資格(Microsoft Certified)は、Microsoftが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure(アジュール)」の技術力を証明するための公式認定資格体系です。AWSに次ぐ世界シェアNo.2のクラウドサービスであるAzureの公式資格として、クラウドインフラ・データ・AIなど多岐にわたる専門分野の認定を行います。特に企業の既存Microsoft製品(Office 365・Active Directory等)との親和性が高く、大企業のクラウド移行で特に選ばれることが多いプラットフォームです。
※ Azure(アジュール)とは、Microsoft社が2010年から提供しているクラウドサービスの名前です。「Azure」は空色・青空を意味する英語で、「クラウド(雲)の空」をイメージした名前とされています。Azureの最大の強みは「Microsoftのオフィス製品・Windows Serverとの深い統合」にあり、既存のMicrosoft環境を持つ大企業に特に選ばれています。
Fundamental(基礎)からExpert(上級)まで3段階
Azure認定資格はFundamentals(基礎)→ Associate(中級)→ Expert(上級)の3段階です。最初の入門資格はAzure Fundamentals(AZ-900)で、クラウドの基本概念とAzureサービスの概要を問います。次に人気なのがAzure Administrator(AZ-104)(Azureの管理・運用)やAzure Solutions Architect Expert(AZ-305)(Azureでのシステム設計)です。
受験料と形式
すべてCBT形式で受験できます。AZ-900(Fundamentals)は165ドル、Associate・Expertは165〜180ドルの受験料(試験によって異なります)です。テストセンター受験とオンライン監視受験が選べます。
難易度・学習時間の目安
AZ-900(Fundamentals)はクラウドの基礎概念とAzureサービスの概要を問う入門試験で、IT経験者なら40〜80時間で合格できます。AZ-104(Administrator)はAzureの管理業務(仮想マシン・ネットワーク・ストレージ・IAMなど)を実際に扱える知識を問い、Azureの実務経験があれば100〜150時間程度です。Expert(AZ-305等)は設計・アーキテクチャレベルの深い知識が必要で、実務経験が事実上必須です。
取得後に活かせる仕事・関連する職種
Azureクラウドエンジニア・インフラエンジニア
企業のAzure環境の設計・構築・運用を担うクラウドエンジニアとして活躍できます。特に大企業・金融・製造業のオンプレミスシステムからAzureへの移行プロジェクトで、AZ-104以上の取得者は即戦力として評価されます。
Microsoft 365・Azure AD管理者
Office 365(Microsoft 365)やAzure Active Directory(Entra ID)を管理する情報システム担当者として、AZ-104やMS-102(Microsoft 365管理)などの認定が直接役立ちます。
※ Azure Active Directory(現:Microsoft Entra ID)とは、ユーザーのログイン・権限管理を一元化するMicrosoftのクラウドサービスです。「社員がOffice 365・Salesforce・Slackなどに同じIDでログインできるシングルサインオン(SSO)」を実現します。大企業のIT管理の核となるサービスです。
AIエンジニア・データサイエンティスト(Azure AI系)
Azure AI Services(旧Cognitive Services)・Azure Machine Learning・Azure OpenAI Serviceを活用するAIエンジニア・データサイエンティストとして、Azure AI Fundamentals(AI-900)やAzure AI Engineer Associate(AI-102)が活かせます。
誕生の背景・歴史
2010年:Azureサービス開始〜2014年以降に認定体系が整備
Microsoft Azureは2010年2月に正式サービスを開始しました。当初はクラウド市場でAWSに大きく遅れをとっていましたが、MicrosoftがOffice 365・Dynamics 365などのSaaSビジネスとAzureを融合させる戦略を取ったことで急成長しました。Azure認定資格の体系は2014年以降に整備され、特にSatya NadellaがCEOに就任した2014年以降、クラウドファーストを掲げる中でAzure資格の需要も急拡大しました。
2020年代:OpenAI投資でAIクラウドの最前線へ
MicrosoftがOpenAI(ChatGPTを作った会社)に多額投資し、Azure OpenAI Serviceとして提供したことで、2022年以降AzureはAIクラウドの最前線としての地位を確立しました。Azure AI・機械学習関連の認定資格の需要も急増しており、今後さらに重要性が高まる資格体系です。
どんな人が、どんな目的で取得しているのか
Windows Server・Office 365の管理者
既存のMicrosoft環境を管理している情報システム部門のエンジニアが、クラウド移行対応と知識証明のためにAzure認定を取得するケースが最も多いです。オンプレミスのActive DirectoryからAzure ADへの移行を担う担当者にとって必須の知識です。
大企業・製造業のクラウド移行担当者
日本の大企業はMicrosoft製品の利用率が高く、クラウド移行先としてAzureを選択するケースが多いです。そのためAzure認定は大企業のSIerや情報システム部門で特に需要があります。
AIエンジニア・ChatGPT活用を目指すエンジニア
Azure OpenAI ServiceでChatGPT(GPT-4等)をビジネスに活用するシステムを開発したいエンジニアが、AI-102(Azure AI Engineer)などの認定取得を目指すケースが2023年以降急増しています。
豆知識:「Azure」という名前は会議室で決まった
命名の経緯:「クラウドらしい名前を」という要求から
「Microsoft Azure」という名前の由来は、Microsoftの内部会議で「クラウドの空(Sky・Cloud)をイメージした名前にしたい」という議論の末に「Azure(空色・青空の意)」が選ばれたとされています。当初は「Windows Azure」という名前で2010年にリリースされ、2014年に「Microsoft Azure」に改名されました。
Azureのデータセンターは世界60か所以上
AzureはAWSと並び、世界60か所以上(2024年時点)の「リージョン」(データセンター群)を持つクラウドです。地球上のほぼすべての主要地域にデータセンターがあり、「データを特定の国・地域に保管しなければならない」という規制要件(データレジデンシー)にも対応できます。日本には「東日本リージョン(埼玉)」と「西日本リージョン(大阪)」があります。
Azureの成長を牽引し、Microsoftを変えた男 ― サティア・ナデラ
Azure認定が対象とするMicrosoft Azureの事業を実質的に育て上げたのが、現Microsoft CEOのサティア・ナデラ(Satya Nadella)氏です。インド・ハイデラバード出身のナデラ氏は1992年にMicrosoftに入社し、2011〜2014年にはAzureを含む「クラウド&エンタープライズ部門」の責任者を務めた後、2014年にCEOに就任しました。就任直後に「モバイルファースト、クラウドファースト」を宣言し、Azureを中心にしたクラウド事業への大胆な転換を進めた結果、MicrosoftはAzureを核とした企業として劇的な復活を遂げ、時価総額は就任時の約30兆円から300兆円超へと成長しました。Azure認定を取得するということは、ナデラ氏が作り上げたクラウドビジネスの核心技術を学ぶことを意味します。
まとめ ― Microsoftエコシステムで働くエンジニアの必携クラウド資格
こんな方にとくにおすすめ
- Windows Server・Office 365・Active Directoryを管理している情報システム担当者
- 大企業・製造業のクラウド移行プロジェクトに参加しているエンジニア
- Azure OpenAI・機械学習を使ったAIシステム開発に興味があるエンジニア
- AWSに加えてマルチクラウドのスキルを身につけたい方
取得に向けた第一歩
まずAZ-900(Azure Fundamentals)から始めましょう。Microsoft Learnという無料の公式学習プラットフォームでAZ-900の全学習コンテンツが無料で用意されています。次にAzureの無料アカウント(200ドルクレジット付き)で実際にAzure Portalにアクセスして仮想マシンやストレージを触りながら学習するのが最も効果的です。
